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季節外れの繁殖 〜セネガルショウノガン〜

 

当園ではセネガルショウノガンの産卵は通常5月〜9月の間で、今年も6月に孵化した2羽のヒナが無事に育ちました。

(詳しくは→セネガルショウノガンが産まれました。


しかし今回10月18日と19日に計2卵の産卵がありました。
少しずれたこの時期になぜ産卵があったかというと、鳥類は子育てしている最中に次の卵を産むことは通常ありません。ヒナを育てながら卵を抱くのは無理だからです。


今回季節外れに産卵した「橙メス」と言う個体は、6月に育った2羽の産みの親でもありました。

しかしこのメスはまだ若く上手く抱卵できなかったので、ベテランの「黒メス」に育ての親になってもらっていました。

セネガルショウノガンはヒナが産まれると我が子か否かは関係なく、みんなしつこいくらい世話をしたがります。

橙メスも抱卵は上手くできませんでしたがヒナにはせっせとエサを運び、我が子のように思っていたようで、その後はしばらく産卵しませんでした。


しかし9月頃から6月生まれのヒナ(もはや若鳥)たちは成鳥からエサをもらうことがなくなりました。育てるヒナがいなくなったことで橙メスの繁殖スイッチがシーズン終わりのギリギリのところで「カチッ」と入ってしまい、季節外れの産卵となったようです。


産むのは良いのですが、橙メスは抱卵が上手ではなく、黒メスもまだ6月生まれの若鳥たちを夜は羽に入れて寝ている状況でしたので、季節外れの卵を抱いてくれる気はないようでした。


そのため孵卵器(卵を温める機械)に2つの卵を入れ人工孵化させることにしました。

そして11月12日に2卵同時に孵化しました。寒い季節に育つことになるので基礎体力のあるヒナであることを願っていましたが、2羽とも35g以上の立派な体格でした。


孵化後は前回と同じように最初は人工育雛(ヒトが餌を与えて育てる)していましたが、様子をみてなるべく早く成鳥のもとに戻そうと考えていました。


まず誰を母親にするかですが、最初に産みの親の橙メスに合わせてみたところ、「ホッホッ」と鳴いてヒナを呼ぶのですが、すぐに諦めてしまうので結果的にヒナたちは橙メスの元にたどり着けず震えながら2羽で寄り添ってうずくまってしまいました。
そこでまだ微妙に6月生まれの若鳥の世話をしているベテラン黒メスに合わせてみると初めは「産んだ覚えないんだけどなぁ」という感じで少しとまっどていましたが、すぐに上手にヒナを呼び2羽は「スポッ」っと黒メスの羽の中に消えていきました。


今はヒト半分、セネガルショウノガン半分で協力してエサを与えながら育てていますが、私たちの手がいらなくなる日は近そうです。

橙メス、来シーズンは自分で育てられるようになろうね。

 

※晴れている時は展示場でヒナたちをご覧いただけます。

 

 

6月生まれの若鳥たち

 黒母さんを取ってしまってごめん。

でも君たちにはもう必要無いように見えるよ。