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ブチハイエナのハズバンダリートレーニングについて

 

当園では2012年より、ブチハイエでハズバンダリートレーニングをおこなっています。

ハズバンダリートレーニングとは、動物もヒトも安全に、動物の治療や様々なケアをおこなうためのトレーニングのことを言います。芸を教えることとは異なり、トレーニングの目的はあくまで動物を健康に飼育するためです。しかったり罰を与えたりすることなく、ほめたりご褒美を与えることで、動物が自ら治療などに協力してくれるように促します。

ハズバンダリートレーニングは、国内でも水族館では以前から海獣類(イルカやアシカなど)でおこなわれていました。ここ数年は、動物園でも積極的に取り組むようになり、類人猿、ゾウ、キリン、パンダ、クマなどでおこなわれています。しかしイヌやネコの仲間でおこなわれている例はまだ少なく、特にハイエナ科では国内では初めての試みとなります。

個体によってトレーニングの内容は異なりますが、先日、大分県に引っ越したダイズ、アズキを含む全頭を対象におこなっています。

色々と書きましたが、文字で説明するよりご覧頂いた方が話しが早いかと思いますので、まずは「体のチェック」をおこなっているブッチーです。

トレーニングは基本的に
サインを出す→ハイエナが行動する→ホイッスルを吹く(OKのサイン)→エサを与える(ごほうびの出現)
  という流れでおこないます。

体のチェックができると、ケガしていないか、歯の欠損はないか、などを確認することができます。また格子に体をくっつけてもらうことで毛を採取することができ、ブチハイエナに欠かせない性判別のための遺伝子検査の材料をもらうこともできます。

息子のトーフも同様のトレーニングをおこなっていますが、まだブッチーほど上手にはできません。しかしやる気は人一倍で、他の個体をトレーニングしていると隣で「僕もできるのよ!」と必死でアピールしています。

続いては「体重測定」をおこなっているダイズです。

アズキも同様のことができ、このトレーニングにより、生まれてから搬出までの1年6ヶ月間、週1回の体重データーを得ることができました。今後、当園でダイズやアズキの弟妹が生まれた場合、その成長具合を照らし合わせることができます。

最後にエナに注射を打つトレーニングです。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、エナは2013年に帝王切開で出産しています。次の妊娠は体が回復するまで少し時間を空ける必要があるので、現在避妊薬を注射しています。以前は注射をするためにまず麻酔をかける必要があったのですか、このトレーニングにより麻酔をかけずに皮下注射を打つことができました。

今後は各個体のできる項目を増やすことや健康管理で重要な採血をおこなえるようになることを目標にハイエナ達と取り組んでいきたいと思います。

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体重計に乗るトーフ「大きくなってる?」(生後3ヶ月の頃)