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チンパンジー ミルキーの飼育日記|人工哺育について考える

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*生後日数0日の日記

*人工哺育について考える

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飼育日記 人工哺育について考える

 

 今回は、ミルキーのその後をお伝えするとともに人工哺育について考えてみたいと思います。
 人工哺育は動物の赤ちゃんをヒト(飼育係)が親代わりとなって育てることです。動物の赤ちゃんと接することはとても幸せなことですが喜んでいられないことも多いのです。動物園で人工哺育する場合、原因の多くはアクシデント(親が育児放棄した、親が死亡したなど)によるものです。野生下では受けることのできない治療が行われて生存率が上がり、助からなかった命が助かる可能性が生まれます。その反面、その動物が仲間と暮らす上で大切な挨拶やコミュニケーション方法、繁殖行動等を成長過程で学ぶ機会が失われてしまうという課題が生まれます。赤ちゃんが未熟な状態で生まれ成長スピードが緩やか(育児期間が長い)で経験と学習によって身につけることが多い動物ほどその影響が現れます。人工哺育で育った動物が育児方法を学ばず育児放棄をして再び人工哺育となるという「負の連鎖」が起こるケースがあるのです。

           

  (生後4日シリンジでミルクを飲ませる)       (生後5日から哺乳瓶でミルクが飲めるようになった)

 

 その課題の解決策として近年動物園で取り組まれていることが、なるべく早い時期に親や仲間の元に赤ちゃんを戻して育児をその動物に担ってもらうというものです。母親チェルシーは人工哺育で育てられました。そこでチェルシーが出産を控える中、私たちも人工哺育になった場合を想定し早期にチェルシー元へ戻すことを最優先として準備を整えていました。結果的に人工哺育となったことから母子同居に向けた取り組みを開始しました。
 産後授乳しないことで母乳が出ていないと困るので出産前からチェルシーに直接母乳マッサージする訓練を行いました。そのためわずかながら初乳を飲ませることも出来ました。

 

                 

                        (搾乳訓練の様子)

 

 生後1日目から檻越しでの母子対面を行いました。出産した自覚が無いためか対面した子供に興味は示すが直接触れることはありませんでした。拒絶することなく関心を示していたことから生後36日目に初めて母子同居を行いました。不安で困惑の表情が見て取れました。4回目の母子同居時にチェルシーが同居を強く拒んだことから母子同居を断念し人工哺育の継続を決断しました。

           

           (母子同居)                  (生後38日抱っこの様子)

 

 

 

  

 

 

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