イベント情報

高知県立のいち動物公園 園長 本田 祐介

みなさんこんにちは、この4月から園長となりました本田祐介です。
オープン前の、のいち動物公園開設準備室より勤めて今年で33年目、初めての飼育係からの園長となります。出身は熊本県で、実はのいち動物公園の採用試験が人生最初の四国上陸でした。それからもう人生の半分以上を高知で過ごし、苦手だった柑橘類も、もともと得意だった日本酒もさらに大好きになり、すっかり土佐人になったと自負しています。
これまでは動物たちに最も近い位置で園に関わってきましたが、これからは少々距離を置く立場となり、正直さみしくもあります。
33年前当時はほぼ経験のない若いスタッフばかりが集められました。まだ何もない事務所に机を運ぶことから始まり、それから徐々に導入されてくる様々な動物たちの飼養管理や獣舎への馴致、さらに展示の訓練と、情報が少ない中で時間に追われながら試行錯誤の毎日でした。そのような状況でようやく迎えた11月3日の開園日でしたが、残念ながら地元マスメディアを始め県民のみなさまにはかなり厳しい評価をいただいたことは苦い思い出として残っています。しかし月日が流れる中、園内の木々の生長と共に我々飼育スタッフの技術も向上し、動物たちもすっかり環境に慣れ、おかげさまで現在は高い評価をいただけるようになりました。  
開園から30年を越え、ヤブイヌ、スナドリネコと新しい仲間も増えましたが、生息地の減少や新疾病の発生、法規制の強化等、野生動物のみならず世界中の動物園動物を取り巻く環境はかなり厳しくなっています。そのため、飼育繁殖技術の向上に加え、国内のみならず海外の施設との連携強化、さらには現地生息地の保全にも尽力しなければならない時代となっています。今後もこれまで以上に「人も動物もいきいきと」した動物公園であり続けますので、どうぞ県民のみなさま、変わらぬご支援をよろしくお願い致します。