ニホンカワウソに関する展示と資料について

のいち動物公園は、ニホンカワウソが最後に観察された高知県の施設として、ニホンカワウソに関する展示や資料の収集保存、情報収集などに力を入れています。
 

ニホンカワウソとは


※写真は、ユーラシアカワウソです。

種について

ニホンカワウソは、ヨーロッパからアジアまで広く分布するユーラシアカワウソと極めて近い種類と考えられています。
体長90〜130cm、体重5〜12kgほどの大きさです。
 

生態

河川や海岸に生息し、繁殖期以外は単独で生活します。メスは巣穴で1〜2頭の子を産み育てます。
魚やカニ、エビなどを補食しますが、一日に体重の1〜2割もの量を必要とします。寿命は10年程度。
 

生息状況と減少原因

元々、全国に分布していましたが、明治以降は主に毛皮目的の捕獲により急減し、大戦後には四国とその周辺以外の地域からはほとんど姿を消していました。
1960年代からの高度成長期、コンクリート護岸工事による生息環境破壊やナイロン漁網に絡まる事故、環境汚染や魚介類の減少などによる追い打ちで、さらに数を減らしました。1965年、国の特別天然記念物に指定。
1970年代まで高知県と愛媛県でわずかな生息が確認されていましたが、1979年、高知県の新荘川での個体を最後に公式には確認されていません。2012年、環境省は絶滅種に指定。
 

これからのこと

今、私たちの社会では、「生物多様性」や「人と動物の共生」を実現していくことが大きなテーマになっています。そのためには生態ピラミッドの頂点に立つニホンカワウソがどうして絶滅の危機に至ったのか、きちんと振り返ることが大切です。
そして、こうしたことを繰り返さぬよう、「生物多様性」を回復させるよう、みんなで取り組んでいきましょう。

 
 

園内での展示について


ニホンカワウソ(剥製)の常設展示

どうぶつ科学館2階でご覧ください。


ニホンカワウソのモニュメント

カワウソ展示場横に設置しています。


 
 


のいち動物公園で保管しているニホンカワウソ剥製




採取日  1977
性 別  成雄
事 由  捕獲死亡
場 所  幡多郡大月町赤泊
体 長  113cm

※DNA解析により固有種の判定




採取日  調査中
性 別  調査中
事 由  調査中
場 所  調査中
体 長  113cm

 




採取日  1965.11.17
性 別  成雄
事 由  蟹籠溺死
場 所  幡多郡大正町轟崎(四万十川)
体 長  117cm



採取日  調査中
性 別  成雌
事 由  死体発見
場 所  調査中
体 長  95cm

※どうぶつ科学館常設展示


 


故・高屋勉氏の調査研究資料

高屋勉氏(1929-2014)が遺されたニホンカワウソの調査研究資料は、主に昭和40〜50年代の高知県西部地域を舞台としたもので、調査野帳をはじめ、調査地図、写真記録、糞標本など、当時のニホンカワウソの生息状況や生態をうかがい知ることができる大変貴重な資料群です。
平成29年3月、これらの資料類は高屋氏ご遺族から高知県に寄贈され、高知県立のいち動物公園において保管管理しています。


資料について

・調査研究資料類 165点
・記録写真 113部 2,256枚
・糞標本 160点
(計438点)

※これらは、専門家や研究者等を対象に、閲覧・貸出等が可能となっています。ご希望は動物公園までお問い合わせください。