ワオキツネザル

8月末からしばらく一緒に過ごしていたウテウテ、シイバ、ジュリ、ノボリの4頭ですが、1月現在、ウテウテ・シイバのペアとそれぞれ単独のジュリとノボリの3グループに再び分かれています。
「え?!ついこの間同居完了したのにまた分かれちゃったの?」「喧嘩しちゃったの?」と思うかもしれませんが、説明させてください。ちゃんと理由があるのです。
まずこの4頭の関係性を改めて整理すると図のようになります。


2023年までは群れの再編成に集中するために、繁殖期の冬はオス2頭とメスたちに分け、オスを非公開施設に移動させるなどしていましたが、今年は2021年以来となる繁殖を目指すことにしました。しかしこの4頭で一緒に冬を越そうとすると、母子のジュリ・ノボリの間に子どもが出来てしまう可能性があります。また、ジュリとシイバは姉妹のため、シイバはノボリの叔母にあたります。つまりノボリとシイバの間に子どもが生まれるのもこれまた望ましくありません。さらにオス2頭が一緒にいると、メスが妊娠した場合に父親がどちらなのかが分からなくなってしまう可能性があります。
これらの理由から、せっかく同居にこぎつけた4頭ですが、繁殖を目指すにあたり再び分かれることになりました。メス2頭と血縁関係のないウテウテと、メス2頭のうちより若いシイバを繁殖ペアとし、残るジュリとノボリは一緒にしておくことができないため、1頭ずつで過ごしてもらうことになりました。
せっかく仲良く過ごせるようになった4頭を分離するのはもったいない気もします。4頭で過ごしていたワオキツネザルたちは、1~2頭で過ごす時よりも活発で、コミュニケーションも豊かだったようにも思います。そんな姿をもっと皆さんにお見せしたいと思っていましたが、次なる命の誕生と群れ全体の変化に期待しながら、再び辛抱の冬となりそうです。


12月に誕生日を迎えたジュリ。束の間再びの単独生活です。


変わらず仲良くしているシイバとウテウテ。繁殖に期待です。


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