チンパンジー

サンゴは2009年に双子のダイヤとサクラを出産しました。その時と比較すると1歳を迎えたダイヤとサクラは今のアカルよりも自由にサンゴから離れて遊ぶことが許されていました。時にはどちらか1人を仲間にあずけることもありましたが、それは常に子供を抱いている母親にとって活発に動くようになった双子の育児の負担が大きかったためと思われます。タワーから落下しないように手を放さない、アカルが1歳を過ぎてもその姿は変わりませんでした。


タワーの上でアカルの手を握るサンゴ

もう1つ変わらなかったこと言えば、積極的にアカルに関わろうとする仲間です。兄のダイヤとメスのチェリーです。チェリーは出産経験があり赤ちゃんが大好きです。双子が生まれた時には積極的にアプローチしてサンゴから信頼を得たチェリーは、サンゴ公認の養母のごとくサクラとともに多くの時間を過ごしていました。事情を知らない人が見れば、母子そのものでした。今回もまたチェリーはアカルに積極的に関わろうとして試みていますが、双子の時のように預けてもらえることはありませんでした。


チェリーと遊び笑顔

私たちの予想に反してアカルに関わろうとしていたのがダイヤです。サンゴのそばで過ごす時間は、チェリーのそれよりも長く確実にアカルと仲良くなっていきました。1歳の頃から一時的ではあるけれどアカルを抱いて歩く姿が度々見られるようになりました。アカルから近寄らなければ、「こっちにおいで」と抱く姿勢で誘ってアカルを抱いていました。ダイヤがどのような気持ちでアカルに関わろうとしているのか、とても興味深いです。


ダイヤがアカルを抱く


ダイヤと遊び笑顔


群れで育つチンパンジーの赤ちゃんは、親や仲間からチンパンジー社会で生きていくたの術を学びます。大人の行動を真似ることから始まり、コミュニケーションを身につけてチンパンジーらしく成長していきます。アカルも大人と挨拶したり、グルーミング(仲間との絆を深める大切なスキンシップです)する姿が見られるようになりました。1歳2ヶ月を過ぎるとタワーの上でもサンゴがアカルの手を放す場面が見られるようになりました。これから仲間たちとどのようなコミュニケーションが見られるのか?アカルの成長が楽しみです。


アカルが挨拶


アカルのグルーミング