ブチハイエナ

ブチハイエナの体重測定が出来るようになりました。
当園のブチハイエナのことをよくご存じの方は「採血できるのに体重測定はできてなかったの?!」と思われるかもしれません。そうなんです!採血はできるけど体重測定はできなかったのです。
さかのぼること10年。「トーフ」や「ダイズ・アズキ」が生まれてまだ子どもだった頃には体重測定ができていた時期もあったのですが、体が大きくなり体重計に収まらなくなったり、力が強くなったことでこれまで使用してた体重計は、ブチハイエナには小さく高価なため使えなくなってしまいました。
今回体重測定のトレーニングを再開するにあたって重視したことは2点。「手軽に測れる物であること」「万が一ハイエナに壊されても悲しくない程度の価格であること」です。当園でもアシカやウマに使用しているバースケールという大型動物用の体重計があるのですが、非常に重たく、高価です。体重測定は大変だとどうしても億劫になる可能性がありますし、知りたい時にすぐ測れる状態であった方が良いと考えました。
そこで2022年9月にまずはスノコに乗ってもらう訓練を始めました。簡単なことのようですが、ブチハイエナの警戒心と好奇心が強いという特性がネックでした。警戒心が強いのでスノコに乗れるようになるのに時間がかかりますが、慣れると今度は好奇心が勝りスノコを囓りだします。そのため「警戒せずにスノコに乗り」「計測後、速やかに隣室に移動する」というトレーニングが必要でした。1ヶ月ほどでトーフが、続いてブッチー、エナもスノコに乗れるようになりました。スノコの下に体重計を仕込む方法を試しましたが、担当の持つ液晶部分に繋がるコードの僅かに出ている部分を囓ろうとして挫折。そのまま良い体重計は無いかと探したり、あきらめ頓挫したりして気づけば1年が経ってしまいました。
千葉市動物公園に「トーフ」を搬出することが決まり、確実な体重がわかっている方が安全な麻酔の量を決定できるため、体重の把握が急務となりました。今一度本気で探すと大型犬の飼育者がスノコや杉板を使用し体重計を自作していることが分かりました。「トーフ」の搬出まで日が迫っていたため、作成は業者に依頼し、スノコに乗るトレーニングを再開しました。「トーフ」が1年ぶりのスノコにもすんなり乗ってくれたおかげで搬出前に「トーフ」の体重を知ることができました。
その後「ブッチー」「エナ]の体重測定もできるようになり、適正な餌量の検討などに非常に役立っています。


体重計に乗るトーフ 51.4kg


ブッチー 53.9kg


エナ 60.2kg


体重計