【動物ブログ】動物病院だより「保護動物通信Vol.8 保護野鳥たちの放鳥」
動物病院だより
ここ最近、立て続けに保護野鳥の放鳥を実施しました。
5/18に、南国市でネズミ捕りモチに引っ付いてしまったハクセキレイが保護され、オリーブオイルや小麦粉、食器用洗剤などで粘着剤のベタベタを多少取り除いて乾かしました。羽をかなり失い、皮膚の裂傷もあったので治療しました。食欲旺盛で、羽の状態も少しずつ改善し飛べるようになったため、5/28無事に放鳥しました。
保護ハクセキレイの放鳥直前の様子(映像は撮れませんでしたが、この直後あっという間に飛んでいきました)
5/28に、キビタキと思われる幼鳥が高知市内で保護されました。来園時に確認すると、巣立ち直後の幼鳥のようでした。車の出入りが多い場所であったため今回は保護しましたが、本来はそのまま様子を見てもらうことがベストです。巣立ち後の幼鳥は、地面に降りてしばらくは親に餌をもらいながら餌の捕り方を学び、飛ぶ練習をして過ごします。巣立ち後の幼鳥を見かけても、親鳥が世話をしている可能性が高いので、危険な場所でなければ触らずに、遠くからそっと見守っていただけたらと思います。
この個体はケガもなく、順調に餌も食べ、飛び方もしっかりしてきたため、6/6無事に放鳥しました。
キビタキの幼鳥の保護直後の様子
キビタキの幼鳥の放鳥
4/2に日高村で保護されたミサゴが、四国自然史科学研究センターで療養した後に、4/25から当園のリハビリケージにて飛ぶ練習を行っていました。徐々に飛ぶ筋力が戻り、6/6放鳥しました。思った以上に上手に飛んでいきました。
ミサゴがリハビリケージで過ごす様子
ミサゴの放鳥
5/21、夜須町でムクドリの雛が2羽保護されてきました。大きな声で餌をねだり、順調に成長し自力で餌を食べて飛べるようになったので、6/7放鳥しました。動物園にもムクドリの群れがやってくるので、仲間に入れると良いなと思います。
保護後、餌をねだるムクドリの雛
保護でやってくる野鳥たちの中には、残念ながら無事に放鳥までいかないこともあります。
自然界では多くの命の繋がりがあり、日々様々な生死があります。
そんな中、偶然人間に見つけられてやってくる命と向き合い、無事に元の暮らしに戻せた時は、やはりうれしいです。
放鳥後も頑張って生き抜いて欲しいです。