動物病院だより

骨肉腫を患っていたモルモットのハナシロが、6月13日に死亡しました。
前回の病院だよりでお伝えしましたが、ハナシロは鼻骨付近に骨肉腫が発生し、3月に腫瘤摘出を行い、その後群れに戻って生活していました。


退院後の様子(真ん中:ハナシロ)

4月下旬、右眼下に再び小さな硬い腫瘤ができ始め、しばらくは大きな変化もなく、食欲・活力も安定していたため様子をみていましたが、5月下旬より腫瘤が急激に拡大し、右眼を圧迫して目頭付近から突出してきたため、6/11に麻酔下で腫瘤摘出処置を行いました。
今回は、右眼周囲から額にかけて、頬骨より派生した腫瘤が右眼を取り囲むように広がっており、右眼を残しつつ出来るだけ摘出しましたが、顔の半分を処置するような状況になりました。処置後、活力は低下し、自力摂餌も戻らないまま2日後に死亡しました。


右眼下に小さな腫瘤が再発(この時点で採れば良かったという後悔が残る)

骨肉腫という進行の速い悪性度の高い腫瘍の恐ろしさ、眼の周囲・額(前頭部)付近の顔面の神経や血管が密に存在する場所での処置の難しさを身に染みて感じました。
骨肉腫という診断を受けて、再発することも採りきれないこともわかっていましたが、前回の腫瘤摘出後に顔の変形も改善し、退院後は展示場でもよく動いて食べて元気に仲間と過ごせていたので、もう一度そうなることを飼育係も獣医も願っていました。
ハナシロはまだ若く、体力もある大きな個体でした。長短混ざり合う面白い毛を撫でる感触や、好物をモリモリ食べる姿、いつも決まった好きな場所でのんびり過ごしていた様子などを思い出すと切なくなります。元の生活に戻すという願いが叶わず、とても悔しく、ハナシロに申し訳なく思います。


いつもモグモグチモシーを食べていた

動物の治療は動物の意思を直接聞くことが出来ないので、関わる人間が決めることになりますが、治療法は間違っていない選択をしていても、結果的には別の方法を選択していればよかったのではという後悔や疑問も残ります。
動物園でもたくさんの病気やケガと遭遇しますが、同じような症例はあっても、全く同じというわけではないので、動物種や個体の状態を鑑みて、症状や生活に合う最良の選択肢を選んで治療を行うしかないです。
ハナシロの治療で得た経験は、今後の治療でより良い選択肢を選ぶために必ず活かします。


メニュー

カテゴリー

最新記事

月別