動物病院だより

6月初旬センティの動きになんとなく違和感があり、その後、嘔吐や食欲不振が出始め、血便の排出、食欲・活力が日に日に低下し、皮下補液など治療を行っていましたが改善しなかったため、麻酔をかけて検査を行いました。血液検査では肝機能・腎機能など内臓の大きな異常はなかったのですが、貧血と脱水が強く、触診やレントゲン検査で肥厚した腸管を確認し、腸管閉塞を疑う異常があることがわかりました。


レントゲン検査で認めた肥厚した腸管(触るとソーセージのような硬さ)

翌日麻酔下で開腹すると、腸が後方の腸管内に20cm程入り込んでいる状態(腸重積)となって閉塞しており、折り重なった部位が一部変色(壊死)していました。
壊死した腸をそのままにしておくとその部位に穴が開いて腸内容物が腹腔に漏れて腹膜炎を起こしたり、腸の動きが悪くなり再び重積を起こす可能性もあるため、壊死した部分を切り取って腸と腸を繋ぎ合わせる吻合処置を行いました。
腹膜縫合の後、皮膚を埋没縫合といって糸が表に出ない方法で縫い、さらに通常の皮膚縫合も行い2重に縫合しました。


お腹の傷を毎日チェック

術後、エリザベスカラーを装着するか悩みましたが、カワウソのように首にくびれがない動物では装着が難しく、さらに胴も長いので装着できても口が患部に届く可能性があることと、カラーを気にして暴れると傷が開くような逆効果にもなるので、今回は使用しませんでした。カワウソは手先も器用なので、傷を執拗に触って開いてしまわないかとても心配でしたが、センティはあまり気にせず過ごしてくれました。ただ、カワウソは通常でも地面や麻袋などに体を擦る動作をするので、2重に縫った外側の糸は数日でほぼすべてなくなってしまいました。それでも皮内の縫合は解けず、なんとか1週間ほどで無事に傷がくっつきました。

入院中は、飼育係手作りの魚のすり身を中心に与えていましたが、徐々にワカサギなどの固形物も与え、排便も毎日確認できました。


ニジマスやワカサギをペースト状にしたすり身


手術後の夕方、初めてのすり身をやや警戒


その後完食し、お気に入りに

外科処置から2週間が経過し、傷も良好、食欲・活力も戻ってきたため、6/22に無事退院できました。


病院生活に慣れ、食欲旺盛で手を出して欲しがる様子

動物の「いつもと違う様子」には、今回のように命に関わる疾患が隠れている可能性もあり、今後も職員みんなで気をつけて観察していこうと思います。


久々に仔ども達と合流(真ん中がセンティ)


退院後、親子でくつろぐ様子


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