【動物ブログ】飼育日記 ワオキツネザル「3月、実は祝ってました」
ワオキツネザル
子どもも生まれ、ドタバタと目まぐるしさを増したワオキツネザル舎でしたが、そんな中実は、3月生まれのニイナ・ミクの誕生日祝いをこっそりとしていました。
ワオキツネザルは日本の気候では通常11~1月頃が繁殖期となります。妊娠期間は約135日のため、多くの個体が3~5月頃に生まれます。当園の8頭も、ジュリを除いた7頭が3月~5月生まれです。
今年度の誕生祝いについては、4、5月生まれと12月生まれのジュリについて、それぞれケーキのプレゼントをささやかに行い、その様子をSNSにてお伝えしました。
しかしこの3月、シイバの出産やそれに関わるドタバタで、3月誕生日組についてSNSでリアルタイムにお伝えするタイミングを逃してしまいました。ケーキのプレゼントは早めの時期に行い写真・動画に収めたものの、このままでは3月生まれだけ誕生日を祝い忘れた薄情な担当者と思われかねない!と思い、このブログにて紹介しようと思った次第です。当の3月生まれの本人たちはケーキさえあれば全て良しでしょうから、今回は完全に担当者の自己満足かつ弁明ということです。とはいえ彼らのたくましい成長をSNSよりも深くお伝えしようと思いますので、お付き合いください。
まずはニイナ、2010年3月16日に千葉市動物公園で生まれました。当園には2013年3月に3歳で来園し、これまで様々な個体と同居し群れ生活を送ってきました。そして2022年4月にウテウテとの間に2頭の子どもを出産しました。残念ながら1頭は死亡してしまいましたが、もう1頭はサンナと名付けられ無事に成長しました。現在も母子仲良く過ごしています。
ミクは2012年3月19日、和の森わんぱーくこうちアニマルランドにて生まれ、当園にはニイナと同じ2013年の8月にやってきました。かつてはニイナや当園のレジェンド長寿個体だったジョン、コナツたちとも同居し群れ生活を送っていました。他の個体と仲良くしたいという意識が強く、群れのリーダーに向いている性格です。メス同士が対立することも多いワオキツネザルには珍しく、メスに対しては基本的に優しく、オスにはやや当たりが強いという一面もあります。ジョン達が獣舎から去った後、ニイナとは闘争・決裂してしまい、単独生活が長くなってしまっているので、担当者としてもどうにかしてあげたい、そんな個体でもあります。サンナ誕生後も数回にわたりニイナ・サンナ母子との同居練習を重ねてきましたが、いつもあと一歩というところで決裂してしまい、現在も単独生活から脱却させてあげられず、歯がゆいばかりです。
ニイナ同様ケーキでお祝いを試みたのですが、実はこのお祝いをした1か月ほど前に処置のため捕獲した影響か、一時的な人間不信に陥っている様子で、ケーキも警戒し終始寄り付かずに終わってしまいました。結局ケーキの飾りは全て崩し、いつものお皿に盛り付け直して与えました。その1か月前の処置も、ニイナとの同居練習中に闘争し負った傷を手当てするためのものだったのですが、当人は訳も分からず捕まえられたためか、すっかり警戒心が強くなってしまったようです。現在は警戒を再び解いてもらえるよう、時々好物を手渡しながら距離を縮め直しているところです。
ここまでそれぞれに目まぐるしい半生を送ってきた2頭。何度も決裂してしまい難航している関係性のニイナとミクですが、今でも別々の部屋にいる際に鳴きかわしをしている声をよく聞きます。そのたびに、やはりミクの単独生活を解消し、全頭がよりワオキツネザルらしい生活を取り戻せるよう、少しずつ同居練習などアシストしながら挑戦し続けていきたいと心の底から思います。できる限り怪我はさせたくありませんが、ワオキツネザルの特性上、チャレンジをしなければならない場面はこれからもきっとたくさんあるでしょう。それでも群れでの生活を目指し、悩みながらも進み続けたいと思います。