ブチハイエナ

当園では2012年からブチハイエナのハズバンダリートレーニング※をおこなっており、健康管理してきました。
今回、当園のブチハイエナでは初めて無麻酔での採血に成功しました。採血出来た個体は「トーフ(オス9歳)」です。

職員が同じ部屋に入ることができない肉食動物の場合は尻尾から採血するケースが多いのですが・・・ハイエナの尻尾は短い!
そういった場合、前肢から採血することもありますが、当園では格子を切るなどの工事をしないとブチハイエナに足を出してもらうことはできません。
施設の構造とブチハイエナの体の構造から採血箇所は首からということにしました。

ブチハイエナは非常に警戒心が強いのですが、食欲も旺盛なので、鶏肉をペースト状にした物を与えながらおこなうことで安定して、かつ職員もより安全に採血することができるようになりました。

ハズバンダリートレーニングによる採血は動物の負担が少なく、ヒトも動物も安全におこなうことができます。また麻酔下や保定下で採血した場合より動物が平常であるためより正確な血液データーを得ることができます。

今回の血液検査の結果、「トーフ」に大きな異常は見られませんでした。
今後は継続して健康管理を行っていくことと、他の個体でも採血できるようにすることを目標に取り組んでいきたいと思います。



動画はこちら
獣医の帽子が少しずつずれていく様子もお楽しみください。



※ハズバンダリートレーニング:動物の飼育管理の上で必要なことを動物の協力のもと行えるようにするためのトレーニング。無理矢理行うのではなく、ご褒美を用いて動物が自ら行動するように促します。治療や健康診断の他に展示場に出る、寝室に戻ってくるといった動きをしてもらう時にも行います。