園長ブログ

みなさん、こんにちは!第3回目のテーマは「世界カメの日」です。
もう世の中にもけっこう浸透してきたかと思いますが、「世界カメの日」とはカメに関心を持ち、カメに対する知識と敬意を高め、カメの生存と繁栄のための人類の行動を促すことを目的として、2000年にAmerican Tortoise RescueというNPOによって制定された記念日で、5月23日に制定されています。そのため、本当はそこに間に合わせたかったのですが、私の準備不足でこんなに遅くなってしまいました。
そして、こちらはまだまだ浸透していませんが、実は当園でも2018年よりカメの日を記念して「カメカメエブリバディ!」というカメファンのカメファンによるカメのためのイベントを毎年開催しています。と言いつつ、ほぼほぼ私の個人的な取り組みですので2023年、2024年と2年連続で多忙を理由に休止となっており、せめて今年はこの場をお借りしてカメの情報発信ができればと考えた次第です。

そもそも世界カメの日はなぜ5月23日なのでしょう?気になって色々と調べてみましたが、私のリサーチ力では答えにたどり着くことができませんでした。そんな中、私の推測では「温帯に生息するカメの産卵時期では?」ということになりました。というのも、私が個人的に自宅で飼育しているスジクビヒメニオイガメというアメリカ合衆国固有種の小型のカメが、なんと毎年5月23日ぴったりに産卵するのです。まあ、日にちは偶然としても、ほとんどのカメがこの頃に産卵を開始することに由来しているのでは?と勝手に考えています。


2022年生まれのスジクビヒメニオイガメ


今年はちょっと遅く産卵は5月27日でした          (スジクビヒメニオイガメ)


ここから先はカメに興味のない方にはもう余談にさえならない話で大変恐縮ですが、実は今年の3月に「ヒメハコヨコクビガメ」という自宅で飼っているカメが初めて産卵したんです!アフリカ南西部に生息する最大甲長10cm前後の曲頸類最小のカメで、まだそれほど国内での繁殖例が多くなく、情報や資料も乏しい種ですので飼育者として素直にうれしい出来事でした。初産ということもあってか、産んだ6卵中、有精卵が半分の3卵、そして私の未熟さで無事に孵化したのは1頭のみという厳しい結果となりました。それでも、初めての産卵~孵化成功と個人的には上半期一番のトピックスとなりました。


8日齢で甲長わずか2.2cm          (ヒメハコヨコクビガメ)


小型種ながら深く深く掘って産卵します          (ヒメハコヨコクビガメ)


そうそう、動物園のカメの話もしないといけないですね。ご存じのように当園では動物の分類ではなく気候分布により展示エリアを分けています。その中で「カメ」という視点を基に、温帯、熱帯、ジャングル、アフリカサバンナ、オーストラリアと、各々の環境によって異なる体の形状や生態を比較展示できるようにするのが,目下の個人的野望となっています。今のところ、温帯熱帯の森がゼロ、アフリカゾーンがリクガメ2種、ジャングルミュージアムがリクガメ1種、ミズガメ5種とまだまだ志半ばなのですが、引き続き野望に向けて進んでいく所存です。
ということで、今回はカメ尽くしの内容となってしまいました。もうかなり過ぎてしまいましたが、せっかくの「世界カメの日」です、このブログを読まれたことをきっかけにみなさんもカメに思いを寄せていただけたら幸いです。来年こそは「カメカメエブリバディ!2025」を開催したいと思いますので、みなさんぜひご参加ください。