動物病院だより

ワオキツネザルのジョンは、3年ほど前に緑内障で失明してしまい、現役を引退して入院室で隠居生活をしています。右眼は一時期かなり大きくなりその後委縮し、左眼はだんだん巨大化し、痛みも増してきているようでした。毎日点眼をしていましたが、このままの状態では痛みのコントロールも難しくなるため、今後もう少し快適に生活できるように眼球の摘出を行うことにしました。


ただ、当園での眼球摘出事例はなく、とても繊細な処置のため、今回は南国市にある「なんごくアニマルクリニック」にて実施していただき、私も眼球摘出の手技を学ぶために手術を見学してきました。



  麻酔処置後、まだぼーっとしている様子

ジョンは現在33歳、ワオキツネザルの平均寿命は野生下では15年、飼育下では20年ほどとされていて、かなりのご長寿と言えます。
高齢で、麻酔リスクもありましたが、麻酔前の血液検査で大きな異常は認めず、およそ2時間の麻酔処置中、呼吸や血圧も安定していました。
夕方、頑張って手術を乗り越え、動物園で待つケアホームワオのメンバー(アンナ、コナツ)の元へと無事に戻ってきてくれました。


  戻ってすぐは食欲が低く、点滴を継続

処置後、しばらく痛みや腫れもあり食欲がいつもより少なかったですが、1週間ほどで腫れもなくなり通常の食欲に戻り、体重も安定してきました。
これからも3頭で、びっくりするくらいのご長寿を目指して、みんなで楽しく過ごしてくれたらと思います。


  術後も、相変わらず仲良く過ごすおじいとおばあたち


  かっこいいポーズでニンジンを食べていた・・


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