動物病院だより

動物病院で入院生活をしていたワオキツネザルのコナツが2月16日に多臓器不全のため亡くなりました。コナツの死亡に伴い、動物病院に入院中のワオキツネザルは居なくなり、12年続いた「ケアホーム ワオ!」も終了となりました。


オトメ(左)とアンナ(右)の入院から始まったケアホーム ワオ!

2013年4月にワオキツネザルのアンナが体調を崩して入院し、もともとバックヤードで一緒に隠居生活していたオトメも入院室にやってきたところから「ケアホーム  ワオ!」が始まりました。2016年にオトメが亡くなり、その後しばらくアンナ1頭でしたが、2019年にジョンが失明に伴い入院し、動物病院に高齢のワオキツネザルが集う様子を「ケアホーム ワオ!」と題し、ブログやSNSで彼らの生活について発信し始めました。


ジョン(左)とアンナ(右)

コナツは2020年4月に持病のてんかんが悪化し「ケアホーム ワオ!」にやって来ました。体調が回復してケアホームのメンバーと同居し始めた頃は、先住のアンナと静かなつかみ合いのケンカをすることもありましたが、だんだん毛繕いする仲になり、その後は穏やかにジョンとアンナとコナツの3頭でいつも寄り添って過ごしていました。


仲良し3頭(左:コナツ、中:アンナ、右:ジョン)

2022年8月にジョンが亡くなり、その5か月後の2023年1月にアンナも亡くなり、コナツは「ケアホーム ワオ!」の最後の1頭になりました。心配していた暑い夏も寒い冬も、日課の散歩と日光浴、うたた寝、つまみ食いなどしながら、比較的元気に乗り越えてくれました。


好物をつまみ食い


どこでも座って日光浴

前回のブログでお知らせしましたが、コナツは2024年9月の大きな発作のあと、自力で動けなくなり介護生活となりました。介護生活の中で、ブドウや桃、キウイ、イチゴなど自分の好きな食べ物の時だけ素直に口を開けてペロっと飲み込み、もっと欲しがる表情が愛おしくて印象に残っています。体は動かないけれどちゃんと好みや意思があることが伝わってきました。


穏やかな表情のコナツ

コナツの介護を通して、高齢動物の終末期ケアの在り方や、寝たきりになったコナツの尊厳など色々悩みましたが、面と向かって日々接して感じるコナツのちょっとした表情や仕草が穏やかであってくれたことが、コナツからもらえた答えなのかなと思うことにしました。


展示場にいた頃のコナツ

コナツをはじめ、「ケアホーム ワオ!」で生活していた高齢ワオキツネザル達は、元気に飛び回ることは出来なくなっていましたが、それぞれ個性的でおちゃめで、優しくて、美味しいものには目がなくて、何をしていても可愛くて、毎日世話をしつつこちらが癒されていました。ブログでみなさまにも癒しの一部をおすそ分けできたのかなと思います。
アンナ、オトメ、ジョン、コナツが「ケアホーム ワオ!」での生活は楽しかった!と少しでも思ってくれていたら嬉しいです。


コナツ、本当にありがとう。そしてお疲れさま。みんなでゆっくり休んでください。


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