【動物ブログ】動物病院だより「入院室のルーセットオオコウモリたち」
動物病院だより
現在、エジプトルーセットオオコウモリが5頭入院していて、それぞれ骨折や衰弱、皮膚の炎症、飛翔不能などで治療中です。
ルーセットオオコウモリはエコーロケーションといって自ら出した超音波の反響音を感知して物を避けたり餌を確認したり、コミュニケーションを取っていますが、時々擬岩にぶつかって骨折することもあります。小さな骨折であれば自然に治りますが、大きな骨折では飛べなくなり衰弱することもあります。
ルーセットオオコウモリの展示場は、日中部屋を暗くして夜を再現しているので、なかなかしっかり姿を見ていただけないのではと思いますが、とてもかわいい顔、特殊な体をしています。もちろん逆さにぶら下がって生活しています。
コウモリは哺乳類で唯一飛翔できる動物です。レントゲン写真でもわかるように前肢の指が長く、指と指の間、前肢と後肢の間、後肢と尾の間に被膜があり、腕を振って飛んでいます。なので、鳥と同様に、胸筋がとても発達しています。後肢の指は5本でしっかりした爪があり、踵の関節はとても柔軟でいろんな角度でしがみ付くことができます。前肢の親指には大きな爪があり、地面を這う時に使います。
ルーセットオオコウモリは耳も眼も大きく、とてもかわいい顔をしています。
(日本で夕方よく見かけるアブラコウモリは、耳は大きいですが、眼はつぶらでとても小さいです)
のいち動物公園で一番の大所帯(約350頭)のルーセットオオコウモリ。暗くて見えにくいですが、いつかじっくり姿や行動を観察していただければと思います。