動物病院だより

おばあちゃんになっても可愛いアンナ

昨年末より体調を崩していたワオキツネザルのアンナが、1月9日のお昼過ぎに亡くなりました。29歳でした。死因は、肺膿瘍に伴う呼吸不全と推測されます。


亡くなる少し前、お見舞いにきたコナツに寄りかかるアンナ

体重が徐々に落ちてきていて運動量も減ってきてはいましたが、12月末までは比較的よく食べてくれていました。
1月に入ってからは自力採食が少なくなり、あれこれ好物を試して食べさせていましたが、亡くなった日の午前中に自分で頑張ってイチゴを食べました。


亡くなる前日の様子

アンナは、糖尿病や甲状腺機能低下症という基礎疾患があり、9年間、毎日インスリンの注射や甲状腺ホルモン剤の内服を行ってきました。
毎朝、注射を準備してケージの扉を開けると、まるで「注射どうぞ」と言ってくれているかのように伸びをしつつ立ち上がって、注射が終わるまでじっとしてくれていました。
毎月、尻尾から採血をしていましたが、それもいつもお利口さんにじっとしていました。


お注射どうぞのポーズ

ヨモギやノゲシ、シラカシなどの葉っぱが好きで、病院内を散歩中にバケツからつまみ食いをしたり、モルモットの食べている流動食をちょっと舐めてみたりとお茶目な姿をよく目撃しました。ブラッシングすると仲間とグルーミングしているかのように舌をペロペロして気持ちよさそうにしていたり、ジョンやコナツが調子を崩すと心配して見に行ったり、他の入院動物と仲良く過ごしたり、とても優しく可愛いおばあちゃんでした。


散歩中の寄り道バケツ(奥:アンナ、手前:コナツ、メニュー:桜の葉っぱ)


モルモットのごはんの味見


翌日に眼の摘出を控えたジョンにひっつくアンナ


9月頃調子を崩して出てこないコナツを見に行くアンナ


コナツに寄り添うアンナ


当時入院していたおじいちゃんプレーリードッグのゴンタと一緒に草をかじる

アンナは私がのいち動物公園に勤め始めて少し経った頃に入院したので、本当にずっと一緒に過ごしてきました。
ワオキツネザルが色んな事に興味を持って、とてもやさしい動物だということを身近で教えてくれて、糖尿病がどういう病気なのかも改めて勉強させてくれました。
最期まで一生懸命頑張って、本当にお疲れ様でした。ありがとう。


左:ジョン、真ん中:アンナ、右:コナツ


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